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末次を語る時に、忘れてはならないのはその守備である。打球が上がった時には、もうその落下地点に入っている。また、そのキャッチングと外野からの返球は、誰と比較しても右に出るものはいない。
難しい打球を簡単に処理してしまうと言った方がいいかもしれない。簡単な打球をさも難しそうに捕球し、ファインプレーであるように見せかけているのと正反対だ。
こんな末次だけど、いかにも地味なイメージで現役時代を包んでいた。国松の後を引き継いだV9の5番バッターだけど、当初は、キャッチャーの森昌彦などと比較されると器が小さい感じがしたものだった。
彼が一躍脚光を浴びたのが、長嶋巨人のV1のシーズンに、阪神戦で魅せた逆転さよなら満塁ホームランだろう。この時の野球放送は、9時半の延長を終わっていて、テレビ放送終了後、私ははラジオで聞いたのを記憶している。なんせ、テレビで見ていて満塁の場面で放送が終了してしまったのだから、不完全燃焼である。その当時のラジオの実況は、「ピッチャー投げた。打ったー さよならホームラーン」というような感じで、打った瞬間にホームランとわかる打球だった。
その日のプロ野球ニュースでは、ベンチから小躍りしながら出てくる長嶋監督の様子が映っていた。
残念なのは、その翌年に練習中に打球を目に当てて、しばらく休養を余儀なくされたことだろう。オープン戦の前だったから「これからシーズンという時に、なんてことだ。」と怒りの談話を聞いた記憶がある。また、因縁めいたことに、打球をぶつけた選手は同じ守備を守る柳田だった。
末次は、長期欠場した、代わって柳田が5番に座って大活躍をし、長嶋監督から史上最強の5番打者の異名をもらった。
その年、シーズンも終わりにかけて、怪我が治り復活してきた。ライトの守備位置についた末次は、メガネをかけていた。やはり視力が落ちたのだろう。試合後の談話では、「足が筋肉疲労でパンパンに張ったよ。」と言っていた。末次ほどの落ち着いて見える選手も、その後の視力が、野球人として通用するかしないかが、気になって仕方がなかったのだろう。
私の記憶に残っている試合に、長嶋の引退試合の時の末次がいる。最終回だったと思う。中日の選手が外野へ打球を上げ、ひょっとしてホームランかな、と思われた飛球を末次が、ひょこひょこひょこと外野フェンス前を横切ったかと思うと、グラブに収めてしまうのである。いともたやすくである。末次は、イージーフライにしてしまうのである。
野球選手にとって、かけがえのない視力、、、野球を続けたい、、、でも、叶わなかった。末次は、その年バットをおいた。
末次の名プレーを私は忘れない。